
ファイルはできたのに、相手がどれを見ればよいか分からない。過去に送った版と並んでいて、どちらが新しいか判断できない。
納品や初稿の連絡は、ファイルを渡す作業ではなく、相手が確認しやすい状態をつくる作業です。ここを省くと、確認が遅れ、そのぶん締切が近づきます。
ここでは、連絡に添える項目と、相手が開けることを確かめる手順を扱います。長い文章は必要ありません。
送る前に、渡すものを並べる
納品の連絡は、ファイルを送るだけでは終わりません。相手が開けて、確認して、次に進めるところまでが目的です。
書き始める前に、渡すものを並べて確かめます。
- 動画ファイル:ファイル名に版が分かる言葉を入れる
- 置き場所:リンクの有効期限と、閲覧できる範囲
- 補足資料:字幕のテキスト、使用した音源の情報など
ファイル名は、相手のパソコンにそのまま保存されます。日付と版が分かる名前にしておくと、あとで問い合わせがあったときに、どれの話かを特定できます。
初稿と最終版を、はっきり分ける
件名や冒頭で、「初稿の確認依頼」なのか「確認済みの最終版」なのかを示します。確認中のものを完成版と呼ばないようにします。
ファイル名と本文の版番号をそろえます。複数本あるなら一覧にして、それぞれが何の版かを書きます。
古いファイルが同じ場所に残っている場合は、今回の対象がどれかを明示します。相手のフォルダを整理するのは難しくても、どれを見るかは伝えられます。
ファイル名には、日付か版番号を入れておきます。「最新」「最終」だけの名前は、次の版が出た瞬間に意味を失います。
確認してほしい内容を絞る
構成を確認する段階なら、流れと内容を見てほしいと伝えます。色や字幕が仮の状態なら、そのことも書きます。
何も説明せずに送ると、仮の部分への修正が大量に返ってきます。相手は完成版のつもりで見るので、当然の反応です。
ただし、これは見ていない部分の問題を無視するための指定ではありません。今決めたいことと、次の段階で整えることを共有するための説明です。
添付だけを送ると、相手は何をどう見ればいいか分かりません。
図の内容納品メッセージの5項目のチェックリストです。何を送ったか、確認してほしい点、見る方法、期限、次の連絡予定を書き添えます。
相手がアクセスできることを確かめる
共有範囲、閲覧期限、ダウンロードの可否を確認します。自分のアカウントで開けたことは、相手も開けることを意味しません。
機密性を保ったまま、必要な権限だけを渡します。確認を急ぐあまり、リンクを誰でも見られる設定に変えてしまわないよう注意します。
送信の前に、本文に貼ったリンク先と版番号を照合します。前回のリンクをそのままコピーしてしまう間違いは、意外と起きます。
スマートフォンで見る相手なら、その環境でも再生できるかを確かめます。確認する人が全員、同じ端末を使っているとは限りません。
何を書くか、何を書かないか
納品の連絡に入れる項目は、だいたい次の5つで足ります。
- 内容:ファイル名と、それが何の版か
- 確認してほしい点:全体か、直した箇所だけか
- 見る方法:閲覧かダウンロードか、期限があるか
- 期限:いつまでに返事が必要か。日付で書く
- 次の予定:返事を受けてから何をするか
書かないほうがよいのは、まだ合意していない期限です。こちらの希望を確定事項のように書くと、相手が承諾していない前提が既成事実になります。
希望として書くなら、そう分かる書き方にします。「○日までにいただけると、○日の公開に間に合います」のように、理由を添えると伝わります。
よくある失敗と、その直し方
ひとつめは、添付やリンクだけを送ってしまうことです。相手は何をどう見ればよいか分からず、結局あとから質問が来ます。5項目を書くほうが、往復が減ります。
ふたつめは、毎回ゼロから文章を書くことです。時間がかかるうえ、項目が抜けます。
過去に送った納品の文面を開き、5項目に当てはめ直してみてください。足りなかった項目を書き足せば、そのまま次回のひな形になります。相手の非公開情報は残さず、項目だけを保存します。
今日の1アクション約12分
前回の納品文を、5項目で書き直す
過去に送った文章を材料にします。足りなかった項目がそのまま改善点になります。
- 直近で送った納品の文面を開く。
- 内容・確認点・見る方法・期限・次の予定の5項目に当てはめ直す。
- 足りなかった項目を書き足し、次回用のひな形として保存する。
相手の非公開情報をひな形に残さないでください。項目だけを残します。