好きな映像を見るたびに、「自分もこんなふうに撮れたら」と思う。でも、編集ソフトを開くと手が止まる。最初の一本は、何をつくればいいのでしょう。
まずは、ひとりに伝わる映像をつくろう。
最初から壮大な作品を目指さなくて大丈夫です。今回は、使い慣れた道具をひとつ選び、その使い方を伝える30〜60秒の映像をつくってみましょう。
たとえば、コーヒードリッパー。「家でコーヒーをいれてみたい人」に、「道具を出してから片づけるまでの流れ」を伝えます。誰に何を伝えるかが決まると、撮るものを選びやすくなります。
コーヒーでなくても構いません。手帳の使い方や、机の整理でも。自分で手順を説明できる題材を選ぶのがコツです。
撮る前に、3つだけメモする。
カメラを回す前に、冒頭・途中・最後に見せるものを書き出します。きれいな企画書にする必要はありません。
- 冒頭:何の映像かが分かる場面。
- 途中:作業の流れが分かる場面。
- 最後:できあがった状態や、片づけの場面。
コーヒーの例なら、できあがったカップを見せてから、道具の準備、お湯を注ぐ手元、片づけへ。いれ方まで説明する場合は、器具の説明書などで手順を確かめておきます。
場面が決まったら、「机全体」と「手元」のように撮る距離もメモしましょう。アップばかりにすると、何をしているかが伝わりにくくなります。
まず短く撮って、その場で見る。
手元のスマートフォンから始められます。いきなり全部を撮らず、最初の場面を短く撮って再生してください。
手元は明るく見えるか。声や作業音は聞こえるか。画面は揺れすぎていないか。この3つを確かめてから進めると、後でまとめて撮り直すのを避けやすくなります。
スマホを置くなら、倒れない場所に。水や熱から離し、背景に住所や書類などが写り込んでいないかも確認しましょう。
編集は、並べてから整える。
まず映像を順番に並べます。長い待ち時間や、同じ動きの繰り返しを短くして、最初から最後まで見てみましょう。
「ここで何をしたか分からない」と感じたら、順番を変えるか、その場面を少し長くします。必要な映像が足りなければ、撮り足しても大丈夫です。
字幕や音楽を入れるのは、その後。字幕は映像だけでは伝わらない説明に使い、音楽は声や作業音を邪魔しないか聞き比べます。何も足さない方が伝わる場面もあります。
完成したら、編集画面の外で確かめる。
書き出した動画を、いつも見るスマートフォンなどで再生します。編集画面では気づかなかった、小さな字幕や音の違いが見つかることがあります。
- 最初に、何の映像か分かる。
- 作業の順番を追える。
- 字幕を読み終える時間がある。
- 声や必要な音が聞こえる。
- 黒い画面や不要な場面が残っていない。
知人に見てもらうなら、「かっこよかった?」より「何をする映像だった?」と聞いてみてください。伝えたかったことが届いたかを確かめられます。
公開するときは、出演者、場所、画像、音楽などの使用条件と必要な許可も確認します。練習で使えることと、公開できることは分けて考えましょう。
作品には、自分がやったことを添える。
映像だけを載せるより、目的と担当を書き添えると、見る人があなたの仕事を理解しやすくなります。
自主制作:コーヒーの準備と片づけを紹介する短編映像
目的:初めて使う人に、作業の流れを伝える
担当:企画・撮影・編集
工夫:全体と手元の場面を組み合わせ、順番を追いやすくした
これは練習用の記入例です。実際に担当した内容に直してください。自主制作は自主制作と書き、依頼された仕事と混同させないようにします。
一本つくっただけで仕事が決まるとは限りません。それでも、「次は音をよくしたい」「手元の映像が足りなかった」と、次の練習がはっきりしてきます。
今日やることは、題材をひとつ決めるだけ。
身の回りから、使い方を説明できるものを選びましょう。下の企画シートに「誰に」「何を伝えるか」を書けたら、必要な場面をひとつ撮ってみてください。