編集の扉写真。色見本と映像を見比べる編集デスク
同じ場面なのに色が違う。原因は編集ではなく撮影側にあることが多い。

一枚ずつ止めて見るときれいなのに、つないで再生すると色がばらばらに見える。編集を始めたころに、よくぶつかる場面です。

色の作業というと、雰囲気を足す調整を思い浮かべがちです。けれど順番としては、まずカット同士を比べ、意図しない差を減らすほうが先になります。

差が消えてから雰囲気を足すと、作品全体に同じ調子がかかります。順番が逆だと、ばらついた色の上にさらに色が乗り、原因が分からなくなります。

色を触る前に、画面と素材をそろえる

色を調整する前に、見ている画面の設定を確かめます。明るさを最大や最小にしていると、実際より明るく、あるいは暗く見えます。

そのうえで、素材の側も確認します。

  • 撮影時の設定:同じ場面でホワイトバランスや露出が変わっていないか
  • 撮影した時間帯:同じ部屋でも、朝と夕方では光の色が違う
  • 混ざっている光:窓の光と室内の照明が同時に入っていないか

素材を並べたら、いちばん条件のよいカットを探しておきます。あとで基準にするので、明るさと色が自然に見えるものを1つ選びます。

画面の色を厳密に合わせるには専用の機器が要りますが、まずは「明るさを固定して、最後まで同じ画面で見る」だけでも差は減ります。

基準にするカットを、ひとつ選ぶ

同じ場面の中から、顔や主役がいちばん自然に見えるカットをひとつ選び、基準にします。残りのカットは、その基準と比べて明るさや色の偏りを確認します。

基準を決めずに一つずつ調整すると、最後のカットを直したころには最初のカットと合わなくなります。比べる相手を固定することが要点です。

場面が別の時間や場所に変わるなら、無理に同じ色へそろえる必要はありません。連続して見せたいひとつながりの中で、意図しない変化を減らすのが目的です。

色味より先に、明るさの差を見る

色味と彩度を同時にいじる前に、主役が急に暗くなっていないかを確認します。編集ソフトの波形表示も参考になりますが、最終的には画面と顔の見え方で判断します。

暗い部分を大きく持ち上げると、ノイズが目立つことがあります。撮影時に失われた細部は、あとから完全には戻りません。素材の限界を見ながら調整します。

明るさがそろうだけで、色の違和感がかなり減ることがあります。色を触るのは、明るさを合わせたあとです。

確認するときは、2つのカットを行き来して再生します。止めて見比べるより、つないだ状態で見るほうが、差に気づきやすくなります。

フィールドノート色がそろわないときに見る順番

編集で合わせる前に、撮影時の条件を思い出します。

図の内容4段階の確認表です。光源が混ざっていないか、カメラの色設定が自動のまま変わっていないか、明るさが場面ごとに違わないか、最後に編集での調整という順で見ます。

白と肌の見え方を比べる

同じ白い物、同じ人物の肌が、カットごとに青や黄へ振れていないかを見ます。ここが揃うと、全体としてまとまって見えます。

白く見える物でも、元から色がついている場合があります。機械的に無彩色へ直すと、かえって不自然になることがあるので、目で確かめながら進めます。

見た目を変えるプリセットを使うなら、効果を弱めた状態から比較します。撮影形式に対応した処理かを確認し、同じ設定をすべての素材へ無条件に当てないようにします。

撮影で直すか、編集で直すか

色がそろわない原因は、編集より前にあることが多くあります。次の順に思い返すと、原因を絞れます。

  • 光源が混ざっている:窓の光と部屋の照明が同時に当たっていないか
  • 色設定が自動:場面ごとに色が動いていないか
  • 露出が途中で変わった:明るい部分が白く飛んでいないか
  • 撮影時刻が離れている:同じ場所でも光が変わっていないか

上の3つは、次の撮影で設定を固定すれば防げます。編集で直すのは、あくまで撮影で防ぎきれなかった分です。両方を混同すると、毎回同じ作業を繰り返すことになります。

よくある失敗と、その直し方

ひとつめは、作業中に画面の明るさ設定を変えてしまうことです。基準が動くため、前日の判断と今日の判断が合わなくなります。作業中は固定します。

ふたつめは、編集画面の中だけで完結させてしまうことです。書き出したファイルを、いつも見る端末でも再生して確認します。

端末によって表示は変わります。すべての環境に合わせるのは難しいので、確認する環境をひとつ決め、そこを基準にするほうが現実的です。

今日の1アクション約15分

基準になる1カットを決めて、隣に並べる

全部を個別に直すと終わりません。基準をひとつ決めると、判断が速くなります。

  1. いちばん自然に見えるカットを1つ選び、基準にする。
  2. 気になるカットを、基準のすぐ隣に並べて見比べる。
  3. 肌や白い紙など、基準にしやすい部分で差を確認する。

画面の明るさ設定を途中で変えると判断がぶれます。作業中は固定してください。