
作品をたくさん並べれば強いポートフォリオになる、とは限りません。数が増えるほど、何ができる人なのかが分かりにくくなることがあります。
作品の数だけでなく、どの工程を担当し、どんな相談に対応できるかも伝えましょう。
ここでは、載せる作品の選び方と、並べる順番の決め方を扱います。新しく撮らなくても、手持ちの作品で今日から整理できます。架空の候補を比べる例と、選んだ作品の説明に使える無料TXTも用意しています。
並べる前に、見せる相手を1人に決める
作品を選ぶ基準は、見せる相手で変わります。誰に見せるかを決めないまま並べると、良さそうなものを全部入れることになり、印象が散ります。
選び始める前に、次を書き出します。
- 見せる相手:どんな仕事をしている人か
- 見てもらう場面:一緒に見るか、リンクを送って一人で見てもらうか
- 使える時間:最初の1分で何を伝えるか
手元にある作品も、一度すべて書き出します。つくった時期、担当した範囲、見せてよいかどうかまで並べておくと、選ぶ段階で迷いません。
相談してほしい仕事を、ひとつ決める
商品紹介、インタビュー編集、イベントの記録。まず、これから頼まれたい領域をひとつ決めます。決めると、載せる作品が自動的に絞られます。
その仕事に近い作品を先頭に置きます。たとえばインタビュー編集の相談を受けたいなら、話の構成や音の整え方を説明できる作品から見せます。
経験のない仕事を、実績があるように見せる必要はありません。自主制作の例を用意し、練習作品であることと自分の担当を明示します。
他の分野の作品も見せたい場合は、主な作品の下に分野別にまとめます。並べ方だけで相談が増えるとは限らないため、まず希望する仕事と担当範囲が読み取れるかを確認してください。
似た作品を、重ねすぎない
同じ得意分野でも、構成、撮影、編集など、違う判断を見せられる作品を選びます。似た内容を追加するときは、その作品で新しく伝えられる担当や工夫があるかを確かめます。
数を増やすためだけに古い作品を残すと、現在の力が伝わりにくくなります。現在も提供できる品質か、当時と今で担当できる範囲が変わっていないかを確認します。
全編を見る時間がない人のために、何の作品か、長さ、見どころを短く添えます。再生する前に内容が分かるだけで、選びやすくなります。
整理の練習では、まず候補を3本ほどに絞り、それぞれの役割を説明してみてください。これは作業を始めるための例で、最適な掲載本数を示すものではありません。必要な本数は、相談内容と見せる場面に合わせて決めます。
数ではなく、何を頼めるかが伝わるかで選びます。
図の内容2列の比較表です。左は載せる作品で、頼みたい仕事に近いもの、自分の担当を説明できるもの、公開の許可があるもの。右は外す作品で、担当範囲が説明できないもの、許可が取れていないもの、同じ内容の重複です。
掲載できる範囲を確認する
依頼された作品を制作したことと、自分のサイトで公開できることは別です。作品そのもの、クライアント名、制作の裏側。それぞれについて、公開してよいかを確認します。
許可が取れないときは、載せないという判断になります。曖昧な肩書きや数字で埋めようとしないでください。
自主制作を載せるときも、制作の目的、実際に担当した工程、判断の理由を添えます。架空の商品や依頼を題材にした練習なら、その旨を明記し、受託実績や成果として扱わないでください。
載せるか、外すか
迷ったときは、次の基準で分けます。どちらとも言えない作品は、いったん外して様子を見ます。
- 載せる:頼まれたい仕事に近い/担当を具体的に説明できる/公開の許可がある
- 外す:担当範囲を説明しにくい/許可が確認できない/似た内容が他にもある
外した作品は、消さずに手元に残します。相手や目的が変われば、選び直す候補になります。
まだ作品が少ない場合は、実際にある作品の担当と工夫を説明するところから始めます。経験のない分野を見せたいときは、最初の自主制作を完成させる手順を参考に、練習作品として追加できます。
次は「インタビュー編集の相談を受けたい」という架空の練習ケースです。実在の案件や獲得実績ではありません。
| 候補 | 確認できた条件 | 今回の並べ方 |
|---|---|---|
| A:自主制作のインタビュー | 構成・編集・音調整を担当。出演者と使用素材の公開条件を確認済み | 先頭の候補。話を整理した箇所と担当範囲を説明する |
| B:旅行の風景動画 | 撮影・編集を担当し公開可能。ただし会話の編集は含まれない | 撮影も相談したい相手なら補足に置く。今回の主な例からは外す |
| C:受託したインタビュー | 編集を担当したが、実績公開の許可は未確認 | 今回は掲載しない。確認する相手と内容を自分用メモに残す |
Aを選んだら、「自主制作/構成・編集・音調整を担当。話題が続くように回答の順番を整理した」のように、区分・担当・工夫を短く書きます。自分の作品へ置き換えるときは、実際に行った作業だけを記載してください。
よくある失敗と、その直し方
ひとつめは、時系列で並べてしまうことです。新しい順に並べると、いちばん見てほしい作品が下に埋もれることがあります。見てほしい順に並べ替えます。
ふたつめは、作品だけを置いて説明を添えないことです。何を担当したのかが分からないと、判断のしようがありません。
各作品に、目的と担当を1行ずつ添えてください。作品を知らない人に読んでもらい、何ができる人だと思ったかを聞くと、伝わり方が確かめられます。文章を整理する際は、下の無料テンプレートで目的・担当・工夫を書き出せます。
選んだ作品の説明を、書き出す
既存の作品説明テンプレートを使えます。区分・目的・自分と他者の担当・工夫を実際の内容に置き換え、非公開の確認欄で公開可否を確かめてください。
作品説明テンプレートを保存する(無料・TXT)登録不要。UTF-8テキストです。確認欄は公開する文章に含めないでください。
今日の1アクション約15分
3本だけ選んで、並べる順番を決める
数を絞ると、選んだ理由を説明できるようになります。まず3本で試します。
- 手持ちの作品から、頼まれたい仕事に近いものを3本選ぶ。
- 最初に見てほしい1本を決め、先頭に置く。
- 各作品に、目的と担当を1行ずつ添える。
外した作品は消さずに残します。相手や目的が変われば、選び直せます。